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品質保証の考え方③:不良における本質的な考え方と仕組みづくり

 こんにちは。東北タツミ営業担当の髙橋です。

今回のブログは、前回書いた「品質保証における検査」について、実際の経験もふまえてもう少し深掘りしていきます。

目次

不良における本質的な考え方とは?

 『トコトンやさしい品質改善の本』によれば、

「不良が発生したとき、検査を厳重にすれば不良が減るわけではない」と書かれています。

たしかに厳重な検査をすることによって、「良品と不良品の見間違い」や「良品のなかに不良品が混入すること」を少なくすることはできるかもしれません。

しかし、一時的な対策だとまた不良が出てしまうおそれがあり、これでは根本的な解決にはなりません。

 以前、不良対応をしたとき、不良における本質的な考え方を知りました。

品質管理部門では、

「どのロットから不良が発生したのか」

「生産工程はどうだったのか」

「発生原因・流出原因は何か」など、

数値やデータをもとに不良品を分析しています。そして、不良の真の原因を究明し、工程を見直し、是正・予防処置をとります。

私は、品質管理部門が作成した「QC工程図」や「調査報告書」、「検査指導書」などを読み、不良を出さないための具体的な仕組みについて理解しました。

その経験から、「不良を出さない仕組みをつくることが重要であり、その仕組みが確立されてはじめて不良が減少する」ということを学びました。

「全数検査」と「抜取検査」について

 まず簡単に、「全数検査」と「抜取検査」をまとめると下図のようになります。

【全数検査】

 「全数検査」は、不良品流出リスクを減らすことや品質保証を強化するなどのメリットがあります。

ただし、検査工程が多いことが原因で仕事量が膨大になり、結果的に見落としなどが発生する可能性が高くなるというデメリットもあります。

それゆえ、なるべく工数がかからないように現場の知恵が必要となります。また、検査コストと販売価格における利益のバランスも考慮しなくてはなりません。

【抜取検査】

 「抜取検査」は、検査コストを抑制することや破壊検査ができるというメリットがあります。

ただし、一部の部品を抜き取って検査をするため、不良品が混入する可能性があります。

それゆえ、「源流管理(開発や生産技術段階での管理)」が重要となります。

 両方の検査方法にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、部品の特性やコスト、求められている品質レベルなどを考慮し、最適な方法を選択する必要があります。

これらの検査に関する専門的な内容については、中国研修で製造現場を実際にみて、さらに理解を深めていきたいと思います。

 また以前、不良対応で全数検査をした経験があります。

そのとき、「検査判定基準の厳格化」「検査方法の標準化」がいかに重要なことか考えさせられました。当たり前のことですが、複数人で検査をしたとき、検査結果にバラツキがあってはいけません。明確な検査判定基準・方法が定められることで検査の信頼性が高くなり、お客様の信頼向上へとつながると思いました。

まとめ

  • 検査を厳重にすれば、不良が減るわけではない。不良を出さない仕組みをつくること(源流管理)で、はじめて不良が減少する。
  • 「全数検査」か「抜取検査」か、どちらを選ぶべきかの判断基準として、部品の特性やコスト、求められている品質レベルを考慮する必要がある。
  • 検査において、「検査判定基準の厳格化」と「検査方法の標準化」が重要。

ご覧いただきありがとうございました。

次回は、「品質管理」と「品質保証」についてまとめた内容を書いていきます。

引き続きよろしくお願いいたします。

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