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再選したトランプ大統領と変わる自動車業界~若者の自動車離れと中国市場の影響までを考える~

こんにちは。東北タツミ商品部です。

先日のアメリカ大統領選では、トランプ大統領がハリスさんを相手に差をつけて勝利しましたね。

先日、トランプ大統領が勝った場合にアメリカと中国の関係性に変化がでて、われわれ中小企業の製造現場にとっても確実に何らかの影響が出る。と言う記事を書きましたが、まさにその状態になりつつあります。

特に、影響が出やすいのが「自動車業界」だと思います。

最近では、あの日産が9000人をリストラするなどのニュースが出ましたが、明らかに自動車の市場は変わってきています。

今一度、現在の自動車業界について私なりに整理してみて、今後の製造業の流れについて考えてみようと思います。

目次

トランプ大統領再選が自動車業界に与える影響

トランプ大統領の再選により、アメリカ国内では「アメリカ第一主義」がさらに強化されると予想されます。特に製造業や自動車業界に対する政策は、これまで以上に保護主義が強まる可能性があります。

これにより、アメリカ国内の自動車メーカーが恩恵を受ける一方で、海外の自動車メーカーにとっては厳しい状況になるでしょう。

例えば、アメリカ市場での販売に大きく依存している日本の自動車メーカーは、関税や規制の強化によって価格競争力が低下するリスクがあります。

一方、トランプ政権は国内の雇用を増やすため、工場をアメリカに設置することを推奨しており、これに従うメーカーには税制面での優遇が期待されます。

また、エネルギー政策においても化石燃料の利用を容認する姿勢を見せているため、電気自動車(EV)へのシフトが他国よりも遅れる可能性もあります。

アメリカとメキシコ・ティファナの自動車産業の関連性

アメリカ自動車業界の保護主義はメキシコにも影響を与えています。

とりわけ、ティファナを含むメキシコの都市には、低コストで生産するためのアメリカ自動車メーカーの工場が集中しています。これにより、アメリカ市場へ迅速に供給ができる地理的なメリットを活かしています。

トランプ大統領の保護主義政策は、メキシコにある工場をアメリカ本土に移すよう促す可能性はゼロではありません。これがメキシコとアメリカ双方の自動車業界に波及する可能性があります。

日本メーカーも、メキシコでの生産を戦略的に活用してきましたが、今後の政策によっては生産拠点を見直す必要に迫られるかもしれません。

中国市場の変動と自動車ブランドの自立化

中国は世界最大の自動車市場として長らく君臨してきましたが、近年は景気の減速により売上が低迷しています。特に国際的なブランド車が苦境に立たされる一方で、中国国内では自国ブランドが勢力を伸ばしつつあります。

政府の補助金制度や規制も相まって、BYDやNIOなどの中国メーカーが国内市場を席巻しています。

これにより、海外の自動車メーカーがシェアを奪われつつある状況が続いています。

中国の消費者が自国ブランドに関心を示し始めているのは、品質の向上や環境に配慮したモデルが増えたことも一因です。EVの普及に関しても中国は急速に進んでおり、政府の補助金による後押しもあります。

こうした背景から、日本やアメリカの自動車メーカーは中国市場でのシェア確保に向けて、現地パートナーシップや現地生産の強化を進めざるを得ない状況です。

日産のリストラ問題と日本の自動車業界への影響

日本の自動車業界にとって避けられない課題となっているのが、コスト削減と収益性の改善です。

特に日産自動車は、2024年に約9000人の従業員をリストラすることを決定しました。この大規模なリストラは、競争の激化と利益率の低下、さらには経済の不確実性が要因となっています。日産はアメリカ市場でのシェアを維持するための戦略的投資も行ってきましたが、今後のアメリカ政策の影響や、世界的なEVシフトの波に乗るための技術投資にも大きなコストがかかっています。

このリストラは日産だけでなく、日本の他の自動車メーカーにも警鐘を鳴らしています。電動化や自動運転といった革新技術に資金を投入しつつも、コスト管理が求められる現在、各メーカーがどのように効率的に経営を行うかが問われています。

若者の自動車離れとライフスタイルの変化

さらに世界的に若者の車離れが進行しています。都市部の若者を中心に、自動車の所有に魅力を感じる人が減少しているのは、日本でも顕著です。

このトレンドにより、日本の自動車メーカーもビジネスモデルの変革が迫られています。

若者が所有することよりもシェアリングサービスを好む傾向が強まっているため、メーカーは新たなモビリティサービスの提供を模索しています。

トヨタがカーシェアリング事業を展開するなど、これまでの「車を売る」というスタイルから「モビリティを提供する」という考え方へのシフトが進んでいます。実はトヨタは今季も売り上げを伸ばしているんですよね。

稼ぐ柱を複数作っておくというトヨタの考え方は見習うべきところがあります。

まとめ:日本の自動車業界の未来はどうなる?

トランプ大統領の再選、中国市場の自立化、若者の車離れ、そして日産のリストラ問題といった要素が、日本の自動車業界に大きな変革の波をもたらしています。

今後の日本の自動車業界は、これまで以上に革新技術の開発とコスト管理が求められ、グローバル市場での戦略的柔軟性が重要となります。

競争の激しい市場において、日本の自動車メーカーが変化に迅速に対応し、次世代モビリティのリーダーシップを取れるかが、業界の存続と成長の鍵となるでしょう。

ただ、心配なのが「コスト管理」=「下請けいじめ」という流れにならないか。

ここに関しては優越的地位の濫用が起きないように、国の施策が変わっていくことを祈るばかりです。

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