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15年通い続けた“マグロのセリ”に隠されたビジネスのヒント

こんにちは。東北タツミ商品部です。

新しい年が明け、早くも1月半ば。少しずつ本格的に仕事のエンジンがかかってきた頃かと思いますが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
世間ではインフルエンザが猛威を振るっていると耳にしますが、体調は大丈夫でしょうか?

実は私、年末にマグロを買いに行った際にもらった風邪を、まだ少し引きずっておりまして…。声がハスキーな状態です。ですが、この「マグロを買いに行く」という一見なんでもない行動が、営業スキルに通じる部分があるのでは?と考えさせられたので、今日はそのお話を少し共有させていただければと思います。


目次

良いマグロを手に入れるには「経験」がものをいう。

私が年末にマグロを調達するのは、横浜天王町にある「横浜洪福寺松原商店街」の「魚幸(うおこう)」というお店です。このお店では、年末になると赤身、中トロ、大トロがすべて均一の値段で量り売りされる特別な販売が行われます。

マグロの柵は切り出された部位によって脂の乗り具合がまったく異なるため、どれを選ぶかの経験が非常に重要。これがマグロ購入の勝敗を分けると言っても過言ではありません。

特に年末の魚幸は大人気で、開店2時間前に到着しても100人以上の行列ができています。

切られたマグロが次々と店頭に並ぶ中、良い部位を手に入れるため、列に並ぶお客様は皆まるで「セリ業者」のような真剣な表情です。この熱気あふれる光景が、まさに年末の風物詩となっています。

ちなみに、この様子は日テレの『エブリィ』で毎年中継されるほどの名物行事なのだとか。

私自身、この魚幸の行列に15年以上並んでいます。それだけに、「良いマグロが手に入る年」と「そうでない年」の違いははっきり分かります。そして、その結果次第で正月の家族の満足度が大きく変わるので、私としても毎回、仕事と同じくらいの集中力で臨むわけです。


「目利き力」と「タイミング力」 〜営業の基本に通じる2つのスキル〜

ここで気づいたのが、「良いマグロを獲得するためのコツ」は、実は営業や仕事のスキルとほとんど同じではないかということです。以下、2つの大事なポイントをご紹介します。

1つ目は、「目利き力」:商品の良し悪しを見極める力です。
美味しいマグロとはどのようなものかを知っていなければ、良いマグロを手に入れることはできません。そのため、脂のノリや身の色などを見て判断するスキルが必要です。
これは営業においても同じことが言えます。まずは自分が扱う商品や市場の相場をきちんと理解していなければ、提案の説得力も信頼も生まれません。「商品を知る」ことは、仕事における基礎中の基礎と言えるでしょう。

2つ目は、「タイミング力」:適切な瞬間を逃さない力です。
良いマグロを手に入れるには、ただ並ぶだけではダメです。列の中で、マグロが捌かれていく様子をじっくり観察し、脂のノリが良さそうな部位が店頭に並ぶ「その瞬間」を見逃さないことが大切です。そのタイミングで手を挙げ、「買った!」と即断即決する勇気が求められます。
ビジネスでも同じで、市場に良い商材やチャンスが出てきたタイミングを見逃さないことが肝心です。「ここぞ」という場面で即行動できる力こそ、営業において成功をつかむための大事なスキルなのではないでしょうか。


「年末5日間」で売上の半分を作る魚幸の戦略

さらに、魚幸さんのビジネスモデルにも学びがあります。
年末年始の5日間で1年の売上の半分を作り出すという驚異的な販売力。

その背景には、「良い商品を必要な人が集まるタイミングで一気に売り切るという徹底したマーケティング戦略があります。

加えて、マグロというありふれた商品に「セリ」という付加価値をつけ、購入そのものをエンターテインメント化しているのも特徴的です。
マグロ自体はスーパーでも簡単に買える時代ですが、魚幸さんでは「お客様自身が目利きで選ぶ」という体験を提供することで、年末のマグロ購入を一種のイベントとして成立させています。これにより、商品自体ではなく「買う楽しさ」そのものが価値になっているのです。


体調管理もサラリーマンにとっては仕事ですね。

こうして、今年も私は無事に美味しいマグロを手に入れ、例年より少し安く仕入れることができました。そして家族みんなで美味しい正月を過ごすことができたのですが…。あの人混みの中、寒空の下で奮闘した結果、風邪を引いてしまったのは私の大きな反省点です。

体調管理も仕事のうち。次回はさらに万全の態勢で臨みたいと思います!

みなさまも、体調にはくれぐれもお気をつけてお過ごしください。それではまた。

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