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TSMCとインテルの隆盛の決定的な違いとは?「良いもの」よりも「欲しいもの」を追求すべし!

こんにちは。東北タツミ商品部です。

最近、熊本方面でお取引があるお客様とお話をする機会があったのですが、TSMCの上陸の影響が凄すぎるということでしたね。第二工場の着工もあって物凄い勢いもあるんでしょう。

今まで空いていた道路が渋滞するのはあたりまえ。
それどころか、街に住む台湾の方もどんどん増えて、まるで「リトルタイペイ」の様相を放っているそうです。

やはり勢いのある民間企業は、地域に大きなインパクトを残すということでしょう。

民間企業がやるでしょう…最近なんだか物議を鴨しているあの発言はまんざら嘘でもないわけです。

さて、今では世界の90%の半導体シェアをもつTSMCですが、十数年前まではIntelがその業界ではトップを走っていました。

「インテル、入ってる」の宣伝を一度くらいは耳にしたことがある方も多いかもしれません。ありとあらゆるPCに、基本的にIntelのCPUが圧倒的シェアを占めていました。

ただ、時代はこの10年で大きく変わりました。

特に近年、TSMCが半導体市場で圧倒的な地位を確立する一方で、インテルは苦戦を強いられています。その決定的な違いは「ビジネスモデルの違いと戦略の選択」にあります。


目次

ファウンドリー vs IDM:ビジネスモデルの違い

TSMC:ファウンドリー(受託製造)に特化

TSMCは1987年に設立され、ファウンドリー専門という独自のビジネスモデルを確立しました。これは、自社で製品を設計せず、他社の設計した半導体を製造するという戦略です。このモデルのメリットは以下の通りです。

  • 多くの顧客と取引できる → Apple、NVIDIA、AMD、Qualcomm、Teslaなど、世界中の半導体企業がTSMCに製造を依頼
  • 製造技術に集中できる → 設計ではなく製造技術に投資を集中し、世界最先端のプロセス技術を維持
  • 量産効果でコスト競争力を強化 → 大量生産に特化し、設備投資を効率的に行える

この戦略が功を奏し、TSMCは2020年代に入り、最先端の3nmプロセスでも圧倒的なリードを誇っています。


インテル:IDM(垂直統合)モデルを維持

一方、インテルは創業以来、IDM(Integrated Device Manufacturer:垂直統合型製造業者という戦略を取っています。これは、設計から製造、販売までをすべて自社で行うビジネスモデルです。

  • 設計と製造の統合 → CPUの設計と製造を最適化できる
  • ブランド力の強化 → Intel Insideキャンペーンなどで、消費者向けにもブランドを確立
  • 高収益モデル → 設計から製造まで一貫管理することで、高い利益率を確保

しかし、このモデルには大きな弱点がありました。

  1. 製造技術の進化が遅れた
    • 2010年代後半、10nmプロセスの開発が大幅に遅延し、TSMCに先を越される
    • 7nmプロセスも遅れ、市場シェアを奪われた
  2. 柔軟性の欠如
    • 他社の設計を製造するTSMCと異なり、インテルは自社の製品しか作らないため、AppleやNVIDIAのような外部顧客を獲得できなかった

結果として、TSMCがAppleのM1チップやAMDのRyzenプロセッサを製造し、大きく成長する一方で、インテルは市場での競争力を失っていきました。


技術開発と市場対応のスピードの違い

TSMC:製造技術の最先端を維持

TSMCは、大量生産の規模を活かして、最先端の製造プロセスをいち早く実用化してきました。

  • 5nm(2020年)、3nm(2023年)と順調に進化
  • 次世代の2nmプロセスも2025年に予定
  • ASMLの最新EUV(極端紫外線)技術を積極的に導入

これにより、Apple、AMD、NVIDIAなどの企業がTSMCに頼らざるを得ない状況になっています。


インテル:製造プロセスの遅れ

インテルは長年、プロセス技術で業界をリードしていましたが、2010年代後半からTSMCに完全に逆転されました

  • 10nmプロセスの開発が遅れ、AMDのRyzenにシェアを奪われる
  • 7nmプロセスもTSMCに比べて数年遅れ
  • 2021年に「2025年までにTSMCに追いつく」と発表したが、まだ不透明

インテルも2023年からファウンドリー事業(Intel Foundry Services)を開始し、TSMCのような外部受託製造にシフトしつつありますが、市場の信頼を取り戻すには時間がかかるでしょう。


TSMCが勝ち、インテルが遅れを取った理由

TSMCインテル
ビジネスモデルファウンドリー特化(他社の設計を製造)IDM(設計から製造まで自社で完結)
主な顧客Apple、AMD、NVIDIA、Qualcomm など自社製品(Intel CPUのみ)
製造プロセス5nm、3nm、2nmへと順調に進化10nm、7nmの開発遅延
成長戦略多くの企業の製造を請け負い、規模の経済を活かす自社製品に依存し、柔軟性を欠く
現在の立ち位置世界最先端の半導体メーカーファウンドリー事業を開始するも、遅れを取る

TSMCの勝因は「柔軟なビジネスモデル」と「技術革新のスピード」

TSMCは、ファウンドリー特化という戦略を取り、世界中の企業の半導体製造を担うことで、成長を遂げました。一方で、インテルは自社製品にこだわるあまり、製造技術の進化が遅れ、市場の変化に適応できなかったのです。

現在、インテルもファウンドリー事業を強化し、TSMCに追いつこうとしていますが、その道のりは険しく、TSMCの牙城を崩すのは容易ではありません。今後、インテルが復活できるのか、それともTSMCが圧倒的な地位を維持し続けるのか、半導体業界の動向に注目しています。

東北タツミは「ファウンドリーが強いコネクタ会社」です。

私どももTSMCのように「お客様の要望」を形できるようなコネクタづくりを目指しています。

そのために、様々な業界を横断し経験やノウハウをためてお客様が「欲しい」と思ったものをすぐに形にできる準備をしていこうと思います。

良い商品をつくるのはあたりまえ。第一命題はお客様が「欲しいものを作る」ということを忘れずにこれからもコネクタと向き合っていこうと思います。

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