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TSMC日本進出に隠された理由と、台湾人が「地面を信用しない」ワケ

こんにちは。東北タツミ商品部です。

今朝、ニュースを流し見していたところ、とんでもないニュースが流れてきました。

いやはや、最近トランプさんとゼレンスキーさんが口論になって、ウクライナへの支援を停止するとなっていましたが…。

もし、このままウクライナがロシアに降伏することになったら、中国もついに台湾に侵攻…となりかねませんからね。
トランプの起源一つで、だいぶ世界の情勢が変わりそうです

その最悪のシナリオも考えて、TSMCは世界各国に拠点を作りたいと思うのはそうでしょうね。

でも、我々、日本人からすると「自国を捨てて、他国にどんどん投資するなんて…愛国心がないのか!!」なんて思ってしまいますが、台湾はそもそもアイデンティティが日本とは大きく違うんですよね。

その中でも一番大きいのが「地面を信用していない」という部分かもしれません。
今回はその辺りを解説していこうと思います。

目次

TSMCが日本に進出する背景


TSMC(台湾積体電路製造)は、世界中の企業から最新の半導体製造を任されるほどの実力を持つ会社です。

そんなTSMCが日本で工場をつくろうとしているのは、単に「日本の企業や政府が魅力的な支援策を用意しているから」というだけではありません。そこには、台湾が抱えるいくつかの事情が影響していると言われています。

台湾有事が生むリスクと安全の確保

最近、台湾を取り巻く地政学的な緊張が高まっていることが、世界のニュースで話題になっています。

もし、いざ台湾に有事があれば、半導体の供給が一気にストップしてしまい、グローバル経済に大きな混乱が生じる可能性があります。TSMCにとっては、このリスクを分散し、安全に製造を続けるための拠点がどうしても必要になります。日本は地理的にも近く、経済的・政治的に安定していることから、リスク対策の面で非常に魅力的な場所として注目されているのです。

そもそも台湾人はなぜ「地面を信用していない」のか

実は台湾は、地震が多い上に台風の進路にもなりやすい地域です。

これが「地面すら信用できない」という言葉につながっていると言われます。
頻繁に揺れる大地に慣れながら生活している台湾の人々は、いつ何が起きてもおかしくない――そんな環境意識が強いのです。
この感覚は、建物を高層化しない工夫や防災意識の高さなど、生活のあらゆるところで見られます。

大事な製造ラインを1ヵ所に集中させることを避けるのも、こうした「何が起こるか分からないからこそ備える」という考え方に通じています。

あとは、もともと彼らも大陸から逃れてきたという歴史もありますからね。戦争によって住む場所を変えることも「ある」という心構えなのでしょう。

日本の強みとTSMCの狙い

日本には、先端技術を支える優れた部材メーカーや機械メーカーが多くあり、品質管理の面でも世界トップクラスと言われています。

TSMCはもともと台湾国外でもアメリカなどに工場を設けていますが、今度の日本進出は、車載用半導体など信頼性が強く求められる分野への対応が大きな理由のひとつです。
日本企業との協力によって、より高品質な部品や設備の安定調達が期待できることも「日本に進むメリット」とされています。

台湾有事と「地面を信用しない」気質がもたらす日本やアメリカ進出の必然性

台湾有事のリスクを背景に、たとえ自国で何かあっても事業を途切れさせないように準備するのは、企業として当然の動きです。

「地面を信用していない」という言い回しは一見冗談のようですが、その裏には「常に最悪の事態を想定する」という現実的な姿勢があります。
TSMCが日本やアメリカに新工場を作るのは、このような安全保障上のリスク分散と、品質の高い製造を続けるための理想的な組み合わせだといえます。台湾人に根づく独特の文化的な考え方と、世界を相手にビジネスをしてきた企業としての判断が重なった結果、今の日本進出が実現しつつあるのです。

まとめ:企業文化だけでなく、国民性を知っておくとビジネスに役立つ。

TSMCが日本に進出する理由は、簡単に言えば「リスクを避けて半導体の安定供給を続けたい」というものです。

そして、台湾人が「地面を信用できない」という表現をするほど自然災害に備える精神は、TSMCが海外に拠点を作る大きな原動力にもなっています。地政学的な背景だけでなく、こうした文化的な感覚も知っておくと、TSMCと日本の新しい関係がなぜ生まれたのかをより深く理解できます。

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