中国工場研修レポート:協力先・自社の現場から学んだ品質観 2025 11/07 スタッフブログ 2025年11月7日 2025年11月7日 こんにちは。東北タツミ営業担当の髙橋です。 10/13(月)~10/31(金)までの約3週間、中国へ研修に行ってきました。最初の2週間は「東莞(とんがん)」へ、もう1週間は「杭州」へ。同じ中国国内でも場所がちがうと文化がちがう、食べ物がちがう、気候もちがう、なかなか経験することのない毎日でした。 さて、今回の中国研修での目的は、品質管理・製造工程の業務内容の把握でした。弊社工場と協力先工場(6社)を見学すると、研修前と研修後で品質管理についての考え方が少しずつ変わっていきました。また、製造工程についても、弊社工場で検査や組み立て業務を実践してみると、数字やデータではわからない現場での地道な努力に気づかされました。 目次協力先工場の見学について 協力先工場を見学した所感としては、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)が必ず目に入ってくる場所に複数箇所あり、工場全体がキレイでした。日頃から5Sをきちんとしていることは、決められたルールや基準を守れる人づくりに結びつくので、品質管理もしっかりしている印象を受けました。 また、製造現場をみると、機械の種類が多く、一種類の部品をつくるだけでも、こんなに工程が多いのだと驚きました。さらに、私の目では「このなかから不良が出るのか?」と疑うほど作業員が機械のようにすばやく、正確に検査・組み立て業務をしていました。 現時点での私の知識や経験では、清潔感があり、機械の種類が多い工場というだけで品質についての安心感がありました。ただし、外見だけは品質管理の本質はわかりません。たとえば、「検査工程どおりに実施されているか」、「検査判定基準は正確なのか」など、品質管理の本質を知るうえで重要です。それらについては、今回の工場見学では把握しきれなかった部分でしたので、今後の課題にしたいと思います。 弊社工場での製造ラインの把握と検査・組み立て業務の実施について まずはプレス・成型機の構造の説明をききました。部品によって機械の設定(温度・圧力・速度など)がさまざまで、想像よりも複雑な構造だと思いました。もし寸法確認でNGが出たら、金型を修正して機械まで運び、再びプレス・成型の繰り返し。現場の業務は繊細で、忍耐力が必要不可欠だと感じました。 次に、検査と組み立て業務をやってみました。DINコネクタの1,000回の挿抜検査は手首が痛くなり、何度か心が折れそうになりました。寸法検査は、ピントを合わせるのに一苦労で、一か所の寸法をはかるだけでも目がかなり疲れました。組み立ては、5時間ほどやってみましたが、小さい端子を一つずつ順番通りにはめていくのがとても集中力が必要で大変でした。また、ゴム手袋をつけているとだんだん血流がわるくなり、指先の感覚がなくなっていくので、その状態で正確に組み立てることのむずかしさを知りました。 企画・設計から納品まで多くの人がかかわっています。現場の作業員をみると、一人ひとりがミスをしないように真剣に取り組んでいました。その姿勢をみて、身が引き締まる思いになりました。その地道な努力は数字やデータでは見えてこない部分だと思います。今回、品質管理部の目線で工場について少しでも知ることができたのは、自分にとって大きな収穫だったと思います。 品質基準と単価のバランスについて ここで、協力先工場の品質基準についておもしろい考え方があったので紹介します。ある協力先は、主要取引先の基準に合わせた品質・単価の設定をしていました。もちろん、品質を良くしようとすれば、検査基準がきびしくなり、単価が高くなります。しかし、安い単価で品質に多少問題があったとしても、たくさん買ってくれる取引先が多ければ、それを基準にするという考え方です。 つまり、経営戦略的に考えると、下図の“A”にしたほうがいいということです。 一方、日本のメーカー(特に車やロケットなど人命にかかわるものを製造しているメーカー)では、不良を一つでも出してしまったら大変なことになります。したがって、不良を一つも出さないために徹底した検査を実施しています。前回までのブログで参考にしていた本も、この品質レベルを基準にした内容でした。 もちろん、協力先の考えも正しいと思います。しかし、日本のお客様が求めている品質レベルを満たすためには、よりきびしい検査基準をクリアする必要があります。そこで弊社は、きびしい検査基準、全数検査をして対応しています。そのようにして協力先と弊社の互いの強みを活かし、弱みは補っていくことで、お客様からの信頼を高めていくことに尽力しています。 さいごに 今回の中国研修は、はじめての中国ということもあり、刺激的な毎日でした。はじめて工場に行って機械をみて、人をみて、今までボヤっとしていた部分がハッキリみえるようになりました。しかし、まだまだスタート地点に立ったばかりなので、これからも貪欲に学んでいきたいと思います! ご覧いただきありがとうございました。 これからも定期的にブログを更新しますので、引き続きよろしくお願いいたします。 スタッフブログ 不良ZD