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【社員レポート】浙江・東陽で過ごす3日間の工会療養休暇

今回は中国工場の購買の黄さんが書いた労働組合の旅行についてです。

目次

横店影視城で“宋代の街並み”を体感

2024年9月、私は会社の労働組合が主催する3日間の療養休暇に参加する機会に恵まれました。旅の舞台は浙江省東阳市。滞在中は、東陽市の中でも特に有名な2つの観光地——横店影視城と中国木彫博物館を訪れました。

初日は、大型バスで横店影視城に到着。この施設は1996年に設立され、総面積は5万ムー(約3,300ヘクタール)を超える中国最大規模の映画・テレビ撮影スタジオ型リゾートであり、国家5A級の観光地でもあります。

私たちはまず、「清明上河図」景区を見学しました。このエリアは、北宋時代の画家・張択端の名作《清明上河図》をもとに精巧に再現されており、多くの人気ドラマ――たとえば『宝蓮灯』『仙剣奇侠伝』など――がここで撮影されました。石畳の路地を歩けば、両脇には酒場の旗が風に揺れ、風情ある宋代建築が立ち並びます。観光客の中には宋代の衣装を着た人々も多く、まるで宋の都にタイムスリップしたかのような没入感に包まれました。

続いて鑑賞したのは、《汴梁一梦》というショー。現代の舞台技術に古代の手品や雑技を融合させた見応えのあるパフォーマンスで、華やかな宋代衣装をまとった出演者たちが繰り広げる演出は、まさに北宋・汴京の栄華を再現したかのようでした。中でも雑技の場面は圧巻で、空中を舞うように演じる姿に魅了されました。背景に浮かび上がる瘦金体(細身の書体)の文字は芸術的で、歴史と美が融合したこの空間は、今でも鮮明に記憶に残っています。

明清宮苑で“ドラマの舞台裏”を歩く

2日目の朝には、「明清宮苑」へ。ここは北京の紫禁城を1:1のスケールで再現した巨大セットで、これまでに100本以上の時代劇がここで撮影されました。近年人気の“後宮ドラマ”でもよく登場する場所で、『宮鎖心玉』や『甄嬛伝』といった有名作もここがロケ地。敷地内では当日も複数の撮影隊が稼働しており、いたるところに時代劇の名シーンがよみがえってくるような雰囲気が漂っていました。

午後は「広州街・香港街」エリアを訪問。近代中国の街並みが再現され、インタラクティブなショーや衣装体験など、まるで自分が映画の登場人物になったかのような感覚を味わえました。旗袍(チャイナドレス)や民国時代の学生服に着替えた観光客たちが街を彩り、写真を撮る手が止まりません。日が沈むと街はネオンに照らされ、幻想的な“民国夜景”が広がっていました。

中国木彫博物館で“東陽木彫”の真髄に触れる

最終日には、中国木彫博物館を見学。館内は複数の展示ホールに分かれ、中国木彫の歴史・生活・現代作家・世界の木彫といった多様なテーマで構成されており、木彫芸術の発展の歴史を一望できます。

入り口からすでに壮麗な木彫画が出迎えてくれ、展示室を進むごとに、匠の技が込められた作品の数々が現れます。なかでも私のお気に入りは「生活展ホール」。花や動物、人物などが精巧に刻まれた扉・窓枠・梁・ベッドなど、生活に根ざした木彫作品が並び、実用と美の融合を感じさせてくれました。

一つ一つの木材には時の流れが宿り、作品には東陽木彫の高度な技術と文化の奥深さがにじみ出ており、そのどれもが印象的でした。

心も体も癒された充実の3日間

この3日間の療養休暇を通して、仕事の疲れを癒しながら、文化・芸術・歴史に触れ、精神的にも豊かな時間を過ごすことができました。今回の素晴らしい体験の機会を与えてくださった会社と工会に、心から感謝申し上げます。

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