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「ウィスカとは?」電子部品の信頼性を揺るがす微細な脅威。

こんにちは、東北タツミの高橋です。

私たちが日々お届けしているコネクタや電子部品において、避けて通れない非常に重要なテーマがあります。それが「ウィスカ(Whisker)です。

髪の毛よりも細い、目に見えるか見えないかというほどの微細な金属結晶。しかし、これがひとたび発生すれば、電子機器のショートや重大な故障を引き起こす原因となります。

今回は、私たちが「お客様に安心してお使いいただける製品」を届けるために、日々どのような視点でウィスカと向き合い、調査・対策を行っているのかを詳しく解説します。


目次

1. ウィスカとは何か? ― 電子部品を襲う「金属のヒゲ」

ウィスカ(Whisker)とは、英語で「猫のひげ」を意味します。 その名の通り、めっきの表面から金属の結晶が針状に伸びてくる現象を指します。

なぜウィスカが問題なのか?

ウィスカは導電性(電気を通す性質)を持っているため、成長して隣り合う端子に接触すると、**回路のショート(短絡)**を引き起こします。現代の電子機器は小型化・高密度化が進んでおり、端子間の距離が非常に近いため、わずか数ミリのウィスカが致命的な故障を招くのです。


2. ウィスカはなぜ発生するのか? そのメカニズムと要因

ウィスカの発生は、主に「錫(スズ)めっき」を施した部品で多く見られます。東北タツミでは、製品設計の段階から以下の要因を徹底的に分析しています。

主な発生原因

  • 内部応力(圧縮応力): めっき層の内部で押し出す力が働くことで、金属結晶が外へと成長します。
  • 金属間化合物の形成: 母材(銅など)とめっき(錫)の間に合金層ができる際、体積変化によってストレスが生じます。
  • 外部からの機械的圧力: 部品を嵌合(かんごう)させた際の圧迫がトリガーになることもあります。

発生しやすい環境

ウィスカは、以下のような過酷な環境下で特に活発になります。

  1. 高温多湿環境: 酸化や腐食が促進され、ウィスカが成長しやすくなります。
  2. 熱サイクル(温度変化): 金属の膨張と収縮が繰り返されることで、ストレスが蓄積されます。

3. 東北タツミのこだわり:徹底した「試験と評価」

「ただ製品を作る」だけでは、BtoBの厳しい品質要求には応えられません。 高橋をはじめとする当社の開発・品質管理チームでは、ウィスカのリスクを最小限に抑えるため、以下のような厳格な試験と評価体制を敷いています。

私たちが実施している主な評価試験

  • 高温高湿放置試験: 意図的にウィスカが発生しやすい環境を作り、長期間の耐性を確認します。
  • 熱サイクル試験: マイナスから高温までの急激な温度変化を与え、物理的なストレスへの強さを測ります。
  • 電子顕微鏡(SEM)による観察: 肉眼では不可能なレベルまで表面を拡大し、ウィスカの芽がないかを厳重にチェックします。

4. ウィスカ対策への取り組み

東北タツミでは、調査結果に基づき、具体的な対策を講じています。

  1. 下地めっきの最適化: 銅母材と錫めっきの間にニッケル下地を施すことで、ウィスカの主因となる金属拡散を抑制します。
  2. リフロー処理(加熱処理): めっき後に加熱して内部応力を緩和させる手法などを検討し、最適な工程を選定します。
  3. 鉛フリー化への対応: 環境負荷を減らしつつ(RoHS対応)、鉛を使わないことで増大するウィスカリスクを、技術力でカバーしています。

まとめ:信頼をつなぐために、私たちは「目に見えないリスク」を妥協しません

ウィスカは、一度発生してしまうと外からは見えにくく、原因の特定も困難な厄介な現象です。だからこそ、「出荷する前に、どれだけ徹底してリスクを潰せるか」がメーカーとしての誠実さだと考えています。

東北タツミは、高精度なコネクタを提供し続けるために、これからもウィスカをはじめとする微細な品質課題に対して、一切の妥協なく調査と研究を続けてまいります。

製品の仕様や、ウィスカ対策に関する詳細なデータが必要な担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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