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基板は進化しているのに、コネクタ部分の実装が進化しない理由は〇〇のせい。

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基板はどんどん進化しているのに、なぜコネクタは進化しないんですか?

みなさま、こんにちは。東北タツミ部品事業部です。

お客様からよくいただく質問シリーズ。今回は「コネクタはなかなか進化しない。」というお話です。

ご存知の通り、昔は「基板」と言えば、紙で出来ていました。

基板に直接パーツを文字通り「ブッ刺し」て、ハンダ槽からディップしていく。という形で実装されていたわけです。

この時はまだ海外などの工場で手動で実装をしていたこともあったくらいです。

ただ時は流れて、実装機の進化も進みました。そして基板と言えば今は「ガラス」で出来ています。

実装機は本当に便利で頼れるやつなんです。

最初に、パーツを貼り付ける接着用の「クリームはんだ」を基板にスキージで伸ばしてくれて…
パーツを基板の目標の場所に置いてくれて…
最後にリフロー炉に入れて、熱で接着してくれて…
全数検査までやってくれる。

人間の手で行うよりもずっと精密な設計ができるようになり、昔は片面しか使えなかった基板も両面に。

そして、設計図が精密化することにより、スマートフォンやドローンのように精密機械が小型化していくことに成功するわけです。

そんな基板の進化とは裏腹に、なかなか進化しないのが「コネクタ」の仕様。

実装基板に固定する方法は、今でも「ブッ刺す」場合が多く、よく開発の方から刺さないといけない理由を求められます。

ただ、そこには「人間の進化が追いついていいない」という大きな問題があるのです。

「人間は予測不可能な動きをする」という前提で。

人間が進化していない。というと語弊があるかもしれませんので言い換えると…

「人間は機械と比べてミスをする生き物」であるということですね。

精密機器であっても、使用するのはそんな人間です。

特にまだまだ基板にブッ刺しているコネクタ部分は一番人間が触るところ。

例えば、スマートフォンのコネクタ部分などは充電やデータ転送のたびにケーブルを刺していますよね。

この部分にかかる負荷は利用する人によっても違いますし、
なんならスマホの充電中にケーブルに足を引っ掛けて転ぶかも…なんてことも想定できますよね。

もうお分かりだと思いますが…
コネクタは基板にブッ刺すくらいの強い実装を行わないと、すぐに壊れてしまうんですね。

人間の予測不可能な動きに耐えられるくらいの強度が必要なんです。

逆にいえば本体側を壊さないためにも、ケーブルの方は若干「弱い」くらいがいいんです。

さっきのような充電中のスマホケーブルに足を引っ掛けてすっ転んだ時にケーブルは断線しなかったのに、本体が木っ端みじんにバラバラになってしまった…

…なんてことは利用する方にとって一番面倒臭い状況になってしまうわけです。

というわけで、コネクタはあえて「進化させていない」と言った方が良いかもしれません。

もちろんこの先、ケーブルというものがなくなるという世界も来るとは思います…が!

人間がコネクタにケーブルを刺し続ける間は、まだまだコネクタがガチっと刺さっていた方が良い時期が続くとは思います。

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