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東北タツミ現場発AIプロジェクト vol.13 : AIに「記憶」を持たせたら、毎回の説明がいらなくなった。

こんにちは。広報兼、業務改善担当の酒井です。

突然ですが、AIを使っていてこんな経験はありませんか?

「先週も同じこと説明したのに、またゼロから話さないといけない…」

そうなんです。ChatGPTもClaudeも、会話が終わった瞬間にすべてを忘れます。新しい会話を始めるたびに「私はこういう仕事をしていて、今こんな課題があって…」と最初から説明し直さなければならない。

これが地味にストレスで、AIを使い続けるうえでの大きなハードルになっていました。

今回はその問題を、ObsidianというノートアプリとClaudeを連携させることで解決した話をご紹介します。

目次

そもそも「ノートアプリ」って使ってますか?

まず正直に聞きます。メモや情報の整理、どうやってやっていますか?

・Excelやスプレッドシートに書いている
・メモ帳やWordに書いている
・紙のノートに書いている
・頭の中で覚えている(!)

おそらく、こういった方が多いと思います。
「ノートアプリ」という専用ツールをわざわざ使っている人は、まだまだ少数派です。

ただ、AIと連携させることを考えると、「テキストで書いて、ファイルとして保存できる場所」があると一気に可能性が広がります。それがノートアプリの役割です。

ノートアプリとExcelやWordの違いは何か。

「じゃあWordでいいんじゃないの?」と思いますよね。

一番の違いは「情報をつなげられるかどうか」です。

たとえば、こんな状況を想像してみてください。

「A社の打ち合わせ内容」
「A社の担当者プロフィール」
「A社向けに過去に作った提案書の要点」

Wordやフォルダ管理だと、これらはバラバラなファイルとして存在します。必要なとき、いちいち別ファイルを開かなければなりません。

ノートアプリだと、「A社の打ち合わせ内容」のページから「担当者プロフィール」のページに直接リンクが貼れます。
情報がひとつのネットワークとしてつながるイメージです。

Notionなどのノートアプリを使っている方はイメージが近いかもしれません。
ただ、Notionはクラウド上にデータが保存されますが、Obsidianは自分のパソコンの中にデータが残ります。会社の内部情報を扱う場合、これは大きなメリットです。

Obsidianって何?:セキュリティがしっかりしたローカルノートアプリ

そのノートアプリの中でも、今回使ったのが「Obsidian(オブシディアン)」です。

特徴を3つだけ:

①無料で使える
基本機能は無料です。有料プランもありますが、今回やったことは無料の範囲で十分できます。

②データが自分のパソコン(またはiCloud)に保存される
クラウドサービスに依存しないので、社外秘の情報も安心して書き込めます。

③シンプルなテキストで書く
「マークダウン」という書き方でメモを作ります。難しそうに聞こえますが、「# 見出し」と書けば見出しになる、「- 箇条書き」と書けばリストになる、それだけです。

Obsidianを「AIの外部記憶」にする。

ここからが本題です。

Obsidianの中に「Claudeへの引き継ぎ書」を作ります。フォルダ構成はこうしました。

・Knowledge/ 技術的な発見・解決したこと
・Decisions/ AかBか、なぜそちらを選んだか
・Projects/ 進行中の仕事の状況
・Preferences/ 自分の好みや作業スタイル

人間でいうと「業務マニュアル」と「引き継ぎ書」を合わせたようなものです。

Claudeが起動時に自動で読む仕組みを作る。

引き継ぎ書を作っても、毎回「これを読んで」と指示しなければいけないのでは手間です。

Claude Codeには「CLAUDE.md」という設定ファイルがあり、ここに「セッション開始時にやること」を書いておけます。

・起動したらPreferences/を読んで担当者のことを把握する
・Projects/を確認して進行中の仕事を把握する
・未処理のメモがあれば報告する

このファイルを一度設定してしまえば、あとはClaude Codeを起動するたびに自動でこちらの状況を把握した状態で会話が始まります。

実際に使ってみると、こうなった。

これを導入した結果、AIへの質問する時の時間のコストが非常に下がりました。

具体例を挙げると…

以前は、毎回下記のような「前提条件」を入れる必要があったのですが…
「私は製造業の会社で広報をしていて、今AIを使った業務改善を進めていて、先週はこういうことをやっていて…」

今はこうです。
「先週の続きをやりましょう」

これだけ。

さらに便利だったのがミスの記録です。たとえば「担当者の名前表記を誤記した」ということがあれば「Knowledge/mistakes.md」に書き残しておく。すると次のセッションから同じミスを繰り返さなくなります。新人スタッフに「これだけは気をつけて」と引き継ぐのと同じ感覚です。

難しそうに見えて、やってみると意外と簡単。

ここまで読んで「これ、うちの会社でもできるのかな…」と感じた方へ。

実際にやった作業のほとんどは「フォルダを作って、テキストファイルを置く」だけです。
プログラミングの知識は一切不要でした。
設定ファイルの書き方もテンプレートがあるので、それを参考にすれば30分もあれば整います。(むしろこの記事のURLをclaudeにコピペで渡して、これがやりたい。と言えば、全部やってくれるかも…。)

設定が終わると、Claudeが「会社のことを知っているアシスタント」に変わります。
初日からある程度状況を把握している中途採用のスタッフ、といえばイメージが近いでしょうか。

まとめ:AIに文脈を持たせると、使い勝手が段違いに変わる。

今回やったことを一言でまとめると、「AIに引き継ぎ書を読む習慣をつけさせた」ということです。

人間の仕事でも、引き継ぎがしっかりしているかどうかで業務の質が全然変わりますよね。
AIも同じで、情報をうまく渡す仕組みを作るだけで、格段に使いやすくなります。

次回は、このObsidianにためた情報をClaudeがどう活用して実際の業務を効率化しているか、具体的な事例をご紹介できればと思います。

ぜひ試してみてください!

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