現場でしか得られない品質の視点─东莞研修で見えた“基準の違い”と技術の深さ 2025 11/13 スタッフブログ 2025年11月13日 2025年11月13日 こんにちは。中国工場品質管理部の兪です。 10月21日から24日にかけて、东莞にある数社の仕入れ先を研修しました。この一年の業務経験を通じて、今回は以前とは違った視眼で製造現場を観察できました。各社が採用する検査機器の違いや基準設定、そして何より「生産が規定通りに行われ、検査が確実に標準を満たしているか」ということに自然と目が向きました。 この視点は線材の製造工程で特に活かされました。加工から検査までの各工程で、どの検査方法が採用され、どの基準で合否が判断されるのかを詳細に確認。これまで見たことのない数種類の専用機を実際に見て、その検査の考え方や技術的なアプローチを学ぶことで、弊社での線材検査にも活かせる視点を得られました。この経験を通じ、外観が似ていても、メーカーごとの検査基準の厳格さが最終的な信頼性を左右することを改めて認識しました。 一方、日頃からよく接触したコネクタの組立・検査工程では、高精度な自動検査システムの進化を目の当たりにしました。あるメーカーでは約100台の自動機がフル稼働する様子が印象的で、作業者は素材供給と異常対応のみ。導通、耐圧から外観のキズ・変形まで全て自動検査され、不良品は自動排除されるシステムで、高い品質を維持しながら驚くほどスムーズな生産を実現していました。変形しやすい端子を保護するため特殊な毛布をカスタマイズ使用している機械もあります。機械化の陰には、現場の技術者たちによる絶え間ない工夫もありました。このような細やかな工夫が、製品の良品率向上に確実に貢献しているのです。 もっとも、それでも日常業務の中で彼らからの不良が発生することはありましたが、今回の訪問を通じて、各工程の潜在的な弱点を把握できたことで、万が一不具合が発生した場合でも、より速やかに問題の起きた工程を推定できるようになったのは、実務において大きな強みとなりそうです。 仕事を離れると、东莞はまた食の魅力で私たちを迎えてくれました。焼きガチョン、紅米腸、牛百葉などの広東料理は絶品、長時間炊き込んだ広東式スープの深い滋味、夜の砂鍋粥のほかほかと温まる優しい味は、胃袋だけでなく心も満たしてくれるものでした。 今回の研修で得た知識と気づきは、単なる視察以上のものでした。メーカーの現場を直接見て、技術を学び、より確かなものに変えていける手応えを感じています。データだけでは分からない、各社の品質への執着と検査への真摯な姿勢を肌で感じられました。この経験で得た確かな品質意識が、今後の仕事の基盤となると確信しています。 スタッフブログ