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工場通いは真剣勝負だった。打てば響かない技術営業と思われたら負け。

皆様、こんにちは。東北タツミ部品事業部です。

最近は「生産性」というような言葉がビジネスの中でよく使われているようですね。
それこそ我々のような製造業でも「効率よくたくさんの製品を作る力」という意味合いでこの言葉を使うこともあります。

ただ、そういう意味合いよりも、昨今は「仕事の進め方」に対してこの言葉がよく使われている印象を受けます。

特にコロナ以降は、テレワークなどの制度も一気に進み、会議も時間を切ってオンラインで行うなど、人と人が直接会わなくても仕事が進むやり方に対して「生産性」という言葉を使っているような形を受けます。

私のような昭和のサラリーマンはこのやり方にどうしても違和感を感じてしまうんです。

というのも、やはり今の私のビジネススキルは毎日通った工場での真剣勝負によって磨かれたと思っているからです。

目次

信頼関係を築くために、毎日通った「勝負の工場通い」

私が若手の技術営業として頑張っている時代。

インターネットはまだまだ普及しておらず、連絡手段といえば、電話か直接会いにいくか。というような時のことです。

その時の日課といえば、お得意先への工場周りでした。

製造業をやっていると大小ありますが、だいたい毎日何かしら、納品したものに対してお客様からご要望があるわけです。

まだまだ知識も経験も自信が持てるほどなかった私は、それでも毎日工場に訪問していたのですが…
工場に着く前に緊張で手のひらはビッショリになるわけです。

それというのも、工場についたらあちらの技術責任者とのやりとりがあるからですね。

あちらの要望に対して、しっかりとした答えが返せなければ。
「まぁ、いいよ。他の会社さんにも聞いてみる」
と言われて取引終了になる可能性だったあります。

打てば響かない技術営業は、全く相手にしてもらえないんですよね。

そういう意味では、毎日が真剣勝負の連続で、随分と鍛えられました。

そして、その真剣勝負をお得意様と繰り返すことによって、
お互いがお互いのことを認め合うような文化もあったんですよね。
「人間として信頼できそうだ。」という感覚を、肌感覚で共有していく作業だったのかもしれません。

むしろ、用事があって一週間、工場への訪問を空けようものなら、

「…どちらさまですか。」

みたいなことを言われてましたからね。あれはあれで怖かった苦笑

本当の信頼関係は同じ熱を共有することから生まれるのではないか。

オンライン会議は「訪問コスト」を省いて、話合いを進めることができる素晴らしい仕組みだと思います。

ただ、このコストは、果たして本当に必要なかったものなのでしょうか。

わざわざ会いにいって、熱を交換するような時間があればこそ、人間性を交換できるというか。
数字だけでは見えない価値のようなものを交換していた気がします。

そこに仕事の楽しさなんかも含まれていたのでは…と今となっては思うんですね。

「コストを絞りに絞って高い数字を上げるための仕事」は生産性の高い仕事なのでしょう。

「信頼関係を築いた人間とお互いの立場を理解しながら、良い結果を生み出した」というのはチームとしてできる最高の仕事と言えるのではないだろうか…。

コロナで働き方が変わったというのはそういうことなのではないか。と私は思うわけです。

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