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要望にお応えして銅材の半分の価格のステンレス材で施策。
要望にお応えして銅材の1/2価格のステンレス材を使用して試作。
※ここでは、φ6.5ヘッドホンジャックを例にあげて話をいたします。一般的にはチップバネ材はリン青銅(C5210R-H)材を使用しております。
写真は弊社試作品
YKB21-5006Gφ6.5ヘッドホンジャック、チップ端子ステンレス材(銀メッキ)品、世の中には出回っていません!
「銅材」が年々値上がりしている状況(内容は下記)
上記ジャックに使われている「銅材」の価格変動状況について。
弊社中国工場の場合だと、以下のような状況になっています。
1、C2680R-H(黄銅)
(1)2020年平均 39.76Rmb/Kg
(2)2021年平均 50.35Rmb/Kg(対前年平均単価26%Up)
2、C5210R-H(リン青銅)
(1)2020年平均 55.39Rmb/Kg
(2)2021年平均 70.62Rmb/Kg(対前年平均単価27%Up)
3、SPTE(電機メッキブリキ)
(1)2020年平均 16.24Rmb/Kg
(2)2021年平均 16.24Rmb/Kg(対前年平均単価 同じ)
4、SUS 304系(ステンレス)
(1)2020年平均 43.10Rmb/Kg
(2)2021年平均 43.10Rmb/Kg(対前年平均単価 同じ)
今後銅材については、高値で推移する方向が予想されます。
鉄材(ステンレス材)については、いままでどうり数年間は安定方向です。
このことから、
ジャックの端子材料を銅からステンレスに変えても特性は変わらないのか!
再度サンプル数を増やして、研究を追加しました。
端子材料、銅材とステンレス材による比較実証。
「ステンレス」という材質があります。
鉄+クロムの合金のことですね。
こちらであれば銅板よりも安価にパーツを製造することができます。
この材質を使って、実験用のパーツを100Pcs作ってみました。
試験結果は以下になります。
1、挿入抜去試験結果 プラグ挿抜5,000回後 規格5N~40N(単位ニュートン)実績値は3Σ(シグマ値)
(1)チップ端子をリン青銅C5210R-H使用品銀メッキ ※サンプル100pcs
①挿入力 ・AVE+3Σ=10.17N ・AVE-3Σ=14.39N
②抜去力 ・AVE+3Σ= 8.22N ・AVE-3Σ=12.90N
結果
①挿入力 ・10.17N~14.39Nの範囲に99.7%の確率で入る。
②抜去力 ・ 8.22N~12.90Nの範囲に99.7%の確率で入る。
(2)チップ端子をステンレスSUS304 3/4H使用品銀メッキ ※サンプル100pCS
①挿入力 ・AVE+3Σ=13.90N ・AVE-3Σ=17.34N
②抜去力 ・AVE+3Σ=10.73N ・AVE-3Σ=15.43N
結果
①挿入力 ・13.90N~17.34Nの範囲に99.7%の確率で入る。
②抜去力 ・10.73N~15.43Nの範囲に99.7%の確率で入る。
※挿入抜去力共、ステンレス材の方が、約2N~3Nくらい強くなる。
合格!
2、接触抵抗値試験結果 プラグ挿抜5,000回後 規格100mmΩ以下(単位ミリオーム)実績値は3Σ(シグマ値)
(1)チップ端子をリン青銅C5210R-H使用品銀メッキ ※サンプル100Pcs
①プラグ-チップ間 ・AVE-3Σ=1.60mΩ ・AVE+3Σ=35.59mΩ
結果
①接触抵抗値 ・1.60mΩ~35.59mΩの範囲に99.7%の確率で入る。
(2)チップ端子をステンレスSUS304 3/4H使用品銀メッキ ※サンプル100Pcs
①プラグ-チップ間 ・AVE-3Σ=23.91mΩ ・AVE+3Σ=53.17mΩ
結果
①接触抵抗値 ・23.91mΩ~53.17mΩの範囲に99.7%の確率で入る。
※接触抵抗値は、結論から言いますと合格!であります。但しリン青銅材の方が数値的には良い内容でありました。
今後、接触抵抗値という内容については、改善努力が必要と思います!
少しでも高品質・低価格なジャックをお探しの方、東北タツミまでご相談ください。
実験の結果は、抜去力が強くなりました、接触抵抗値は少し悪くなりました
タツミの開発は、新製品の開発の他、現状品を更に改善改良(安価で高品質)してお客様市場に貢献できるよう努力してまいります。
今回ご紹介したφ6.5ヘッドホンジャックで価格高騰にお困りのお客様、バネ材スレンレス仕様に興味があるお客様、
ジャックのことならなんでも、
是非東北タツミへお問い合わせ相談ください。
東北タツミ㈱03-5577-5831 担当 湯澤でございます。